【会員限定】こころの脳の育て方オンライン
皆さんこんにちは、成田です。
もう20年以上も前、アメリカ留学から帰国したての時に参加した小児神経学会に出店されてた本屋さんで「語用論」に関して書かれた書籍をみつけました(残念ながらもうなくしてしまって書名も思い出せない)。
恥ずかしながらその時まで「語用論」という単語すら知らなかったので、ものすごく「目からウロコ」状態だったのを覚えています。
簡単に言えば語用論とは「言外の意味を持たせる→それにより相手に行動を促させる」という言語的なテクニックです。
例えば「ラジオの音、うるさいなあ」と家族から言われて、無言で立ち上がり、ラジオのボリュームを下げる。
この時、言われたほうは実は「ラジオの音、うるさいなあ」の裏に「うるさいから音量下げて」という言外の意味が入っていることを察したから、行動したわけですよね。
これがわからないと「え?うるさくないよ。僕にはこの音がちょうどいい。」などといった返答をしてしまって人間関係が崩れる。
で、その本には自閉症の特徴として「語用論の理解が先天的に障害されている」とあり、なるほど!と私はわかった気になったわけです。その後脳科学的な自閉症研究の流れはこの語用論、脳科学的には「こころの理論」と呼ばれる主に前頭葉の機能がいかに自閉症児者で障害されているか、などに焦点が当てられてきたのです。
でも、今になり、再び私は振出しに戻って「語用論」が使えないのは本当に生まれ持っての障害なのか?いやいや違うでしょ!という考えにシフトしてきています。
なぜか。
それは、この20年で自分の子どもを育てたからです。
そして気づきました。
「子どもは意外にも2歳から語用論を使っている!」いえ、正確には「大人に語用論を強いる言語を使っている!」のです。
例えば2歳くらいの子が盛んに「だっこ!だっこ!」と騒ぐ姿をよく見ますね。
これは本来は「本日は思いのほか長い距離を歩いたため、疲れてしまいました。ですので、できますればだっこしていただきたいのですがいかがでしょうか。」という文章で相手に伝えるべき内容なのです。
ところが語用論が入っている大人は「だっこ」というただの名詞を我が子が一言叫んだだけで、「そうかそうか疲れたか」と「言外の意味を読み取り」すっと抱っこしてしまう。
実際には2歳の子の脳では全く前頭葉は発達してないので、この繰り返しの中で何を学ぶかというと「この親どもは、私が余計な言葉を言わなくてもすべて察して行動する」ということなのです。
これでは、本当に前頭葉が発達する年齢になっても絶対に語用論が身に付きません。
・・・ということに気づいた私は、2歳の娘には「だっこ ください」3歳になったら「つかれた。だっこをください」4歳になったら「いっぱい歩いたから疲れた。だっこをお願いします。」5歳になれば「とても疲れたけれどお母さんの腰の具合も悪いので、あの電信柱のところまで抱っこをしてください」と言わせました。
そう、「正しい文章で全部の意味を伝える日本語」をまず入れなければ、絶対に語用論は使えない・理解できないのです。
小学生になった時には、「お父さん、コンビニに買い物に行ってくれたけど、急に雨が降ってきたね。お父さん、傘を持って行ったかな?」「あ、傘立てに傘があるから、もっていってないよ」「ずぶぬれになっちゃったら大変だね。傘を持って行ってあげようか」「うんそうしよう」と丁寧に会話をつないで行動をしていました。
すると!!
中学生になった娘はある日、私が「あ~犬が散歩行きたがってるねえ。でもお母さん今日は腰が痛いなあ」と発言したのを受けて「それって私に犬の散歩行ってほしいってこと?」と聞いてきたのです。
前頭葉が本当に発達するのは10歳以降です。
まさに、この時娘は初めて「語用論」を身に着けた。でも、ちゃんと確かめないと間違った言外の意味をとらえてしまう、と思って私に確認したわけです。
こういう経験から、このプロセスを経なければ、大人になるまでに、こんなにも人間ならではの高度な脳機能を駆使する「語用論」を使いこなせる人間になるはずがない!!
と私は考察しました。これが「こころの脳育て」というアクシス独自のメソッドなのです。
大人になってから上司に「この文書まとめるのに2時間かかるのだけれど、僕はいまから会議なんだよねえ」と言われたときの部下の回答例
A「会議終わってから2時間かけてまとめればいいじゃないですか?」
B「それって私にやれって言っているということですか?」
C「会議は部長がお出にならないといけない仕事なので、では私が文書作成の方をお手伝いいたしましょうか?」
・・はい、もうもちろんおわかりですよね。
人の幸せ・社会での成功はまさに「こころの脳」の育て方いかんにかかわっているのです。
そして、こころの脳は段階的にからだの脳→おりこうさんの脳と育って初めて完成する。
「脳の発達は生活で」です。私は、自閉症があろうがなかろうが、「生活」によって程度の差はあれ、絶対にこころの脳は育てられる、と確信しています。
コロナ感染拡大を受けて、また遠方の方でも気軽にアクシスにつながっていただけるように、アクシスではオンラインプログラムを充実させています。
こころの脳の育て方オンラインワーク、7月から開始しました。
ぜひ皆さん奮ってご参加ください。
(ネットでのつなぎ方はしっかりサポートしますよ!)
成田 奈緒子
もう20年以上も前、アメリカ留学から帰国したての時に参加した小児神経学会に出店されてた本屋さんで「語用論」に関して書かれた書籍をみつけました(残念ながらもうなくしてしまって書名も思い出せない)。
恥ずかしながらその時まで「語用論」という単語すら知らなかったので、ものすごく「目からウロコ」状態だったのを覚えています。
簡単に言えば語用論とは「言外の意味を持たせる→それにより相手に行動を促させる」という言語的なテクニックです。
例えば「ラジオの音、うるさいなあ」と家族から言われて、無言で立ち上がり、ラジオのボリュームを下げる。
この時、言われたほうは実は「ラジオの音、うるさいなあ」の裏に「うるさいから音量下げて」という言外の意味が入っていることを察したから、行動したわけですよね。
これがわからないと「え?うるさくないよ。僕にはこの音がちょうどいい。」などといった返答をしてしまって人間関係が崩れる。
で、その本には自閉症の特徴として「語用論の理解が先天的に障害されている」とあり、なるほど!と私はわかった気になったわけです。その後脳科学的な自閉症研究の流れはこの語用論、脳科学的には「こころの理論」と呼ばれる主に前頭葉の機能がいかに自閉症児者で障害されているか、などに焦点が当てられてきたのです。
でも、今になり、再び私は振出しに戻って「語用論」が使えないのは本当に生まれ持っての障害なのか?いやいや違うでしょ!という考えにシフトしてきています。
なぜか。
それは、この20年で自分の子どもを育てたからです。
そして気づきました。
「子どもは意外にも2歳から語用論を使っている!」いえ、正確には「大人に語用論を強いる言語を使っている!」のです。
例えば2歳くらいの子が盛んに「だっこ!だっこ!」と騒ぐ姿をよく見ますね。
これは本来は「本日は思いのほか長い距離を歩いたため、疲れてしまいました。ですので、できますればだっこしていただきたいのですがいかがでしょうか。」という文章で相手に伝えるべき内容なのです。
ところが語用論が入っている大人は「だっこ」というただの名詞を我が子が一言叫んだだけで、「そうかそうか疲れたか」と「言外の意味を読み取り」すっと抱っこしてしまう。
実際には2歳の子の脳では全く前頭葉は発達してないので、この繰り返しの中で何を学ぶかというと「この親どもは、私が余計な言葉を言わなくてもすべて察して行動する」ということなのです。
これでは、本当に前頭葉が発達する年齢になっても絶対に語用論が身に付きません。
・・・ということに気づいた私は、2歳の娘には「だっこ ください」3歳になったら「つかれた。だっこをください」4歳になったら「いっぱい歩いたから疲れた。だっこをお願いします。」5歳になれば「とても疲れたけれどお母さんの腰の具合も悪いので、あの電信柱のところまで抱っこをしてください」と言わせました。
そう、「正しい文章で全部の意味を伝える日本語」をまず入れなければ、絶対に語用論は使えない・理解できないのです。
小学生になった時には、「お父さん、コンビニに買い物に行ってくれたけど、急に雨が降ってきたね。お父さん、傘を持って行ったかな?」「あ、傘立てに傘があるから、もっていってないよ」「ずぶぬれになっちゃったら大変だね。傘を持って行ってあげようか」「うんそうしよう」と丁寧に会話をつないで行動をしていました。
すると!!
中学生になった娘はある日、私が「あ~犬が散歩行きたがってるねえ。でもお母さん今日は腰が痛いなあ」と発言したのを受けて「それって私に犬の散歩行ってほしいってこと?」と聞いてきたのです。
前頭葉が本当に発達するのは10歳以降です。
まさに、この時娘は初めて「語用論」を身に着けた。でも、ちゃんと確かめないと間違った言外の意味をとらえてしまう、と思って私に確認したわけです。
こういう経験から、このプロセスを経なければ、大人になるまでに、こんなにも人間ならではの高度な脳機能を駆使する「語用論」を使いこなせる人間になるはずがない!!
と私は考察しました。これが「こころの脳育て」というアクシス独自のメソッドなのです。
大人になってから上司に「この文書まとめるのに2時間かかるのだけれど、僕はいまから会議なんだよねえ」と言われたときの部下の回答例
A「会議終わってから2時間かけてまとめればいいじゃないですか?」
B「それって私にやれって言っているということですか?」
C「会議は部長がお出にならないといけない仕事なので、では私が文書作成の方をお手伝いいたしましょうか?」
・・はい、もうもちろんおわかりですよね。
人の幸せ・社会での成功はまさに「こころの脳」の育て方いかんにかかわっているのです。
そして、こころの脳は段階的にからだの脳→おりこうさんの脳と育って初めて完成する。
「脳の発達は生活で」です。私は、自閉症があろうがなかろうが、「生活」によって程度の差はあれ、絶対にこころの脳は育てられる、と確信しています。
コロナ感染拡大を受けて、また遠方の方でも気軽にアクシスにつながっていただけるように、アクシスではオンラインプログラムを充実させています。
こころの脳の育て方オンラインワーク、7月から開始しました。
ぜひ皆さん奮ってご参加ください。
(ネットでのつなぎ方はしっかりサポートしますよ!)
成田 奈緒子