『サラバ!』
2016.01.12
あけましておめでとうございます。
ハワイの税関で怪しまれ、余計な身体検査をされた上岡です。
「どれだけ身軽に旅立てるか!」
私にとって、それが旅行の醍醐味の1つです。
知らない街で、動きにくい状態になるのが大嫌いなので、重いものは背負いたくないし両手は空けておきたい!
ですから、洋服は最低限しか持っていきませんし、下着は旅先で手洗いします。出発時には穴の開いた靴下を履いて旅先で処分し、どんどん身軽にしていきます。
今回それが災いし、ハワイの税関で
「Hey!You!ハワイ3泊の割に荷物が少ナスギ!!」
とひっかかりました。
Oops!
さて、お正月を人生初の海外で過ごしました。常夏の国ハワイの風景は素晴らしかったのですが、最高の絶景は書物の中で浴びました。
西加奈子さん作『サラバ!』です。
先ほどさんざん「身軽でいたい!」と書きましたが、ハワイまでの7、8時間かかるフライトをどうつぶせばよいのか!と悩んだ私は、ボリュームたっぷりの『サラバ!』(上下巻)をリュックサックに放り込んだのであります。
読まれた方も多い作品でしょうから今更ですが、本当に本当に素晴らしい作品でした。
親の海外転勤により、幼少期から異文化が身近になった主人公の話ですが、主人公にとっての最もな異文化は「外国」や「外国の人」でなく、同じ「日本人」の自分の家族内にありました。そして、いろいろあった主人公が浮上する最後の一押しは「日本人」ではなく「外国の人」でありました。
全部がひっくりかえりました。
日本人同士でも分かり合うことが難しいならば外国の人とはもっと分かりあえないんじゃないか!と考えちゃいがちですが、
日本人であれ外国の人であれ、相手が誰であってもそれぞれ異なる背景や事情があるわけで、分かり合うことに苦労するけど、その果てに認め合えれば、分かり合える稀有な瞬間は、日本人であれ外国の人であれ、相手が誰であってもお訪れうる!誰とであっても難しいけど、認め合えれば、誰と分かり合ったっておかしくない!
そう受け取りました。
世界が膨張しましたよ、あたしは。
楽しく優しく切なく、『サラバ!』にそう諭されました。
決して、腕が自分の3倍ほどある人たちがぞろぞろ歩くハワイが怖くて、部屋にこもって『サラバ!』を読んでたわけじゃないですよ。
本を読み、本を閉じては街に出て異文化を接し、部屋に戻っては本の続きを開き、を繰り返した時間が、私なりの『サラバ!』のメッセージを、スポンジのように浸透させたのだと思います。
破れたパンツや靴下と同様、身軽になるために旅先に持参した本は読後、現地で廃棄していく私ですが「サラバ!」は持ち帰りました。
ハードカバーの上下巻なので重くはありましたが、おかげで地に足つけて帰国しました。
今年もよろしくお願いいたします。
皆様にとって、今年も良い年になりますように。
上岡
ハワイの税関で怪しまれ、余計な身体検査をされた上岡です。
「どれだけ身軽に旅立てるか!」
私にとって、それが旅行の醍醐味の1つです。
知らない街で、動きにくい状態になるのが大嫌いなので、重いものは背負いたくないし両手は空けておきたい!
ですから、洋服は最低限しか持っていきませんし、下着は旅先で手洗いします。出発時には穴の開いた靴下を履いて旅先で処分し、どんどん身軽にしていきます。
今回それが災いし、ハワイの税関で
「Hey!You!ハワイ3泊の割に荷物が少ナスギ!!」
とひっかかりました。
Oops!
さて、お正月を人生初の海外で過ごしました。常夏の国ハワイの風景は素晴らしかったのですが、最高の絶景は書物の中で浴びました。
西加奈子さん作『サラバ!』です。
先ほどさんざん「身軽でいたい!」と書きましたが、ハワイまでの7、8時間かかるフライトをどうつぶせばよいのか!と悩んだ私は、ボリュームたっぷりの『サラバ!』(上下巻)をリュックサックに放り込んだのであります。
読まれた方も多い作品でしょうから今更ですが、本当に本当に素晴らしい作品でした。
親の海外転勤により、幼少期から異文化が身近になった主人公の話ですが、主人公にとっての最もな異文化は「外国」や「外国の人」でなく、同じ「日本人」の自分の家族内にありました。そして、いろいろあった主人公が浮上する最後の一押しは「日本人」ではなく「外国の人」でありました。
全部がひっくりかえりました。
日本人同士でも分かり合うことが難しいならば外国の人とはもっと分かりあえないんじゃないか!と考えちゃいがちですが、
日本人であれ外国の人であれ、相手が誰であってもそれぞれ異なる背景や事情があるわけで、分かり合うことに苦労するけど、その果てに認め合えれば、分かり合える稀有な瞬間は、日本人であれ外国の人であれ、相手が誰であってもお訪れうる!誰とであっても難しいけど、認め合えれば、誰と分かり合ったっておかしくない!
そう受け取りました。
世界が膨張しましたよ、あたしは。
楽しく優しく切なく、『サラバ!』にそう諭されました。
決して、腕が自分の3倍ほどある人たちがぞろぞろ歩くハワイが怖くて、部屋にこもって『サラバ!』を読んでたわけじゃないですよ。
本を読み、本を閉じては街に出て異文化を接し、部屋に戻っては本の続きを開き、を繰り返した時間が、私なりの『サラバ!』のメッセージを、スポンジのように浸透させたのだと思います。
破れたパンツや靴下と同様、身軽になるために旅先に持参した本は読後、現地で廃棄していく私ですが「サラバ!」は持ち帰りました。
ハードカバーの上下巻なので重くはありましたが、おかげで地に足つけて帰国しました。
今年もよろしくお願いいたします。
皆様にとって、今年も良い年になりますように。
上岡