お問い合わせはコチラ

子育て科学アクシスブログ


観ること

皆様こんにちは。毎年の事ですが、3月に入ると急に暖かくなりますね。

さすが、成田の生まれ月(笑)。花も鳥も祝ってくれてるようです。

 
本日成田は川越におります。 今年度、医学助成金を頂きまして、その報告会で発表させて頂きます。

他の方の発表を聞かせて頂いてると、医学の進歩はあまりに速くて、ビックリします。

今日は、病理診断が組織を取らずにできる方法ができたという発表に、心底驚きました。

体を切らなくても、先進の機器によって体内の細胞レベルの異常はもちろんのこと、DNAレベルの異常までたちどころに可視化できる日も近い、というのはとても良いことである反面、「これでいいのか!?」という思いが起こるのをも否めない私です。

 
そもそも医療の原点は観ること、観察すること、と強く教えられてきた私たち前世代の医者からすると、データに頼りすぎる今の医学は若干違和感を覚えるところもあります。 その傾向は、医学の現場だけではなく家庭生活にも及んでいる気がします。

 
小学校に視察に行って、驚くほど顔色の悪い男の子がいて、思わず養護の先生に「あの子大丈夫?」って聞いてしまったことがあります。 子どもなのに、明らかにまぶたが落ち窪んでて、クマが濃く、痩せ細ってて肌がシワシワ…

先生も心配してらしたので、頼んでお母さんとお会いさせて頂き、お話を聞きました。

 
お母さんに、「お子さんはちゃんとご飯食べてますか?」と聞くと、「うちの子、食べ過ぎるんで、制限してるんです。」との答え。

「剣道を習わせてて、練習のあとなど、目を離すとどんぶり飯食べちゃうので、夕食は野菜だけの炭水化物抜きにしてます。太っちゃったら大変ですから…」

「ねえお母さん、この子の顔色、これでいいと思う?」「さあどうでしょう?他の子を見ることってないですし…普通だと思ってたんですが。」

 
その後、いかに今の状態が悪いか、この年齢でしっかり栄養バランス取れた食事を摂らねばならぬか、こんこんと説教し、「どんぶり飯食べさせてね」と約束しました。

 
3か月後にその子に再会して、ほっとしました。

ふっくらほっぺに血色のよい手足。心なしか筋肉がついて逞しくなってました。

瞳もキラキラ輝いてて、とても利発そうです。

お母さんも「今の方が健康だって今ならわかります。テレビやなんかで言ってる情報ばっかり信じて、全然子どもを見てなかったです。」とおっしゃってました。

 
情報に惑わされることなくしっかり毎日観察していれば、子どものことはほぼ100%わかるのが親である、と私は思っています。

たくさんのデータを参照し、便利な機器も利用しつつ、でも、もっとも大切なのはよく観ることである。医療でも家庭でも一番大切なことなんです。

 
先日講演会でお邪魔した伊賀のご馳走♪(本文と全く関係ないです(笑))

↓↓

 
DSC_1383

 
成田奈緒子