夏の映画の話
2016.08.05
上岡です。
夏らしく、ホラー映画『貞子 対 伽椰子』を観てきました。
笑いながら見ました。以前のブログで書きましたが、楽しかったのではなく、もちろん怖くて笑っていたわけなのですが。
対決ものであれば、『座頭市 対 用心棒』が有名です。勝新太郎 対 三船敏夫ですよ。
最近であれば、『スーパーマン 対 バットマン』がありましたね。
それぞれの映画で主役をはったもの同士が1つの映画に登場するという、好きな人にはたまらない類の映画です。
貞子さんは「呪いのビデオテープを見ると7日間後に死ぬ」というホラー映画として大ヒットを飛ばした『リング』、その続編にあたる、サイエンスサスペンスの『らせん』で有名な、内気で白いドレスを好む長髪の女性です。
その後もシリーズ化され、なんと続編のタイトルは『リング2』。正統な続編である『らせん』を無かったことにする潔さがあります。ここが、苦しくてもなんとかつないでいく『エイリアン』や『ジョーズ』と違いますね。
その後に、劇団員として頑張っていますが、人付き合いがどうしてもうまくいかずに悩んでいる貞子さんの青春時代を描いた『リング0』と続きます。そんな普通の女性ですが、少しだけ変わった点がありまして、紆余曲折あったあと、TV画面からお茶の間に実体として這い出てくるようになります。
「あんな小さな箱の中に人が入っていると思っていた」
とTVが市場に出回りだした昭和の時代、人々はそう思ったそうですが、まさにあれです。
貞子さんに、一家だんらんの場を邪魔されたくないと思う場合、それを防ぐ方法はシンプルで、そもそも呪いの映像が収録されている『呪いのビデオテープ』さえ見なければいいのです。このDVD主流のご時世、楽勝ですよね。
ところが、近作の続編である『貞子3D』、『貞子3D 2』では、呪いの映像をネットで拡散するという暴挙に貞子さんは出ます。
困ったもんですね。
さて、もう一人の主役、伽椰子さんは、『ある家』に一歩でも踏み入れたら誰であれ必ず死んでしまうという映画『呪怨』で有名です。
責任感が強く、そのために自分を追い詰めすぎてしまうナイーブな一目がありますが、夫婦で新居に引越してきたときなんかは、それはもう幸せをからだ全体で表していて、夢まみれでした。
少し変わっている点は、なんやかんやあった後、二階から階段を四つん這いで降りてくるようになります。あと、ドラマ『北の国から』で、蛍か狐を呼ぶ場面で発する「ルールルル」の音程を、かなり低くして「オーオ、オ、オ、」が、口癖になります。
伽椰子さんも白いドレスを好み、髪を長めです。ちなみに、その新居が「ある家」となります。
伽椰子さんには子どもがいます。小学生の俊雄君です。この子の変わっている点をしいてあげるならば、ブリーフ姿一丁でよく体育座りをしていることぐらいですかね。
あと、全身白塗りです。
あと、声色が猫の鳴き声です。
呪怨もシリーズ化されていきます。
誰でもウマが合わない人はいるもんなので、もし伽椰子さんと俊雄君に会いたくないなーと思ったならば、方法はシンプルです。
その「ある家」にさえ入らなければいいわけです。「呪われた家」という風評もたっているので、すぐどの家か分かると思います。
ところが、シリーズが進み、呪いを恐れた不動産屋さんがその家が取り壊すと、伽椰子さんと俊雄君は他の人が住んでいる別の家に引っ越すという荒業にでます。
困ったもんですね。
その新しい家が『ある家』となるわけです。
そんな、貞子さん、伽椰子さん、俊雄君が集結した映画が『貞子 対 伽椰子』です。なので、
内気な性格の伽椰子さんとその子どもの俊雄君の住む家に、内気な劇団員の貞子さんが、不動産屋の手違いでとんだ同居をすることになり、最初はお互いを認められずギクシャクした関係が続きますが、常に半裸で過ごす俊雄君が風邪をこじらした事件をきっかけにうちとけ、意気投合し、お互いがともに成長していくという展開には、当然ならないのです。
この映画で嬉しかったのは原点回帰です。
伽椰子さんは引っ越し前の『あの家』に戻っているし、貞子さんは、ネット画像ではなく『呪いのビデオテープ』に戻ってました。ただ、「ビデオテープを見てから7日後に現れますよ」ルールだったのが「2日後に現れますよ」となっていて、ハードワーカーな設定にはなってましたが。
怖いのは、「得たいの知れないなにか」であり、シリーズ化が進み、説明が足されていくと「怪物」「妖怪」というカテゴリーになってしまい、怖さが減ってしまいます。例えば「得たい知れないなにか」のときは「ホラー」ですが、その正体は病原菌だと分かると、映画としては面白いのですが、カテゴリーは「サスペンス」に変わります。だから、説明が足りていない設定の原点回帰になっていたことが非常に嬉しかったです。
ちなみに、映画の後半で、TVから出てくる貞子さんと2階から降りてくる伽椰子さんという夢の共演が見られます。
夏の夜、得体のしれない「ホラー映画」で涼むのも良かでしょう。
ただ、ホラー映画ですので「To be continue 」的な終わり方が多く、後味の悪さはつきまといます。
しっかりちゃんと終わるのは前回も書かせていただいた「エクソシスト」や、エンディングが有名な「シックスセンス」、あと「アザーズ」などがありますよ。
上岡
夏らしく、ホラー映画『貞子 対 伽椰子』を観てきました。
笑いながら見ました。以前のブログで書きましたが、楽しかったのではなく、もちろん怖くて笑っていたわけなのですが。
対決ものであれば、『座頭市 対 用心棒』が有名です。勝新太郎 対 三船敏夫ですよ。
最近であれば、『スーパーマン 対 バットマン』がありましたね。
それぞれの映画で主役をはったもの同士が1つの映画に登場するという、好きな人にはたまらない類の映画です。
貞子さんは「呪いのビデオテープを見ると7日間後に死ぬ」というホラー映画として大ヒットを飛ばした『リング』、その続編にあたる、サイエンスサスペンスの『らせん』で有名な、内気で白いドレスを好む長髪の女性です。
その後もシリーズ化され、なんと続編のタイトルは『リング2』。正統な続編である『らせん』を無かったことにする潔さがあります。ここが、苦しくてもなんとかつないでいく『エイリアン』や『ジョーズ』と違いますね。
その後に、劇団員として頑張っていますが、人付き合いがどうしてもうまくいかずに悩んでいる貞子さんの青春時代を描いた『リング0』と続きます。そんな普通の女性ですが、少しだけ変わった点がありまして、紆余曲折あったあと、TV画面からお茶の間に実体として這い出てくるようになります。
「あんな小さな箱の中に人が入っていると思っていた」
とTVが市場に出回りだした昭和の時代、人々はそう思ったそうですが、まさにあれです。
貞子さんに、一家だんらんの場を邪魔されたくないと思う場合、それを防ぐ方法はシンプルで、そもそも呪いの映像が収録されている『呪いのビデオテープ』さえ見なければいいのです。このDVD主流のご時世、楽勝ですよね。
ところが、近作の続編である『貞子3D』、『貞子3D 2』では、呪いの映像をネットで拡散するという暴挙に貞子さんは出ます。
困ったもんですね。
さて、もう一人の主役、伽椰子さんは、『ある家』に一歩でも踏み入れたら誰であれ必ず死んでしまうという映画『呪怨』で有名です。
責任感が強く、そのために自分を追い詰めすぎてしまうナイーブな一目がありますが、夫婦で新居に引越してきたときなんかは、それはもう幸せをからだ全体で表していて、夢まみれでした。
少し変わっている点は、なんやかんやあった後、二階から階段を四つん這いで降りてくるようになります。あと、ドラマ『北の国から』で、蛍か狐を呼ぶ場面で発する「ルールルル」の音程を、かなり低くして「オーオ、オ、オ、」が、口癖になります。
伽椰子さんも白いドレスを好み、髪を長めです。ちなみに、その新居が「ある家」となります。
伽椰子さんには子どもがいます。小学生の俊雄君です。この子の変わっている点をしいてあげるならば、ブリーフ姿一丁でよく体育座りをしていることぐらいですかね。
あと、全身白塗りです。
あと、声色が猫の鳴き声です。
呪怨もシリーズ化されていきます。
誰でもウマが合わない人はいるもんなので、もし伽椰子さんと俊雄君に会いたくないなーと思ったならば、方法はシンプルです。
その「ある家」にさえ入らなければいいわけです。「呪われた家」という風評もたっているので、すぐどの家か分かると思います。
ところが、シリーズが進み、呪いを恐れた不動産屋さんがその家が取り壊すと、伽椰子さんと俊雄君は他の人が住んでいる別の家に引っ越すという荒業にでます。
困ったもんですね。
その新しい家が『ある家』となるわけです。
そんな、貞子さん、伽椰子さん、俊雄君が集結した映画が『貞子 対 伽椰子』です。なので、
内気な性格の伽椰子さんとその子どもの俊雄君の住む家に、内気な劇団員の貞子さんが、不動産屋の手違いでとんだ同居をすることになり、最初はお互いを認められずギクシャクした関係が続きますが、常に半裸で過ごす俊雄君が風邪をこじらした事件をきっかけにうちとけ、意気投合し、お互いがともに成長していくという展開には、当然ならないのです。
この映画で嬉しかったのは原点回帰です。
伽椰子さんは引っ越し前の『あの家』に戻っているし、貞子さんは、ネット画像ではなく『呪いのビデオテープ』に戻ってました。ただ、「ビデオテープを見てから7日後に現れますよ」ルールだったのが「2日後に現れますよ」となっていて、ハードワーカーな設定にはなってましたが。
怖いのは、「得たいの知れないなにか」であり、シリーズ化が進み、説明が足されていくと「怪物」「妖怪」というカテゴリーになってしまい、怖さが減ってしまいます。例えば「得たい知れないなにか」のときは「ホラー」ですが、その正体は病原菌だと分かると、映画としては面白いのですが、カテゴリーは「サスペンス」に変わります。だから、説明が足りていない設定の原点回帰になっていたことが非常に嬉しかったです。
ちなみに、映画の後半で、TVから出てくる貞子さんと2階から降りてくる伽椰子さんという夢の共演が見られます。
夏の夜、得体のしれない「ホラー映画」で涼むのも良かでしょう。
ただ、ホラー映画ですので「To be continue 」的な終わり方が多く、後味の悪さはつきまといます。
しっかりちゃんと終わるのは前回も書かせていただいた「エクソシスト」や、エンディングが有名な「シックスセンス」、あと「アザーズ」などがありますよ。
上岡