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子育て科学アクシスブログ


思えば叶う

思えば叶う。今から12年前。私(藤原)は、ある学校に校長として着任した。体育館に入ると、ステージの左横にタテ2メートル、横4メートルの鉄板に校歌が書いてあった。鉄板の表面が波を打っていた。これをきれいにしたいと、見た瞬間に思った。鉄板の表面は、やわらかいのかところどころへこんでいる。バスケットボールやバレーボールがぶつかったあとなのかも知れない。一見模造紙に書いてあるかのようで、薄っぺらな感じがした。何とかできないものかと思った。

さらに、ステージの中央にあった演台も非常にひどかった。演台用のカバーで何とかごまかしているが、とにかくひどい。横に大きな穴があいている。この演台の上で校長講話をするのかと思うとつらくなった。この演台もきれいにするぞと強く思った。

「鉄板の上に書かれた校歌のレリーフ」と「演台」の二つを新しくしたいと着任したその日に強く思った。

着任して3年がたった。創立30周年の行事を実施することになった。実行委員会が組織された。歴代のPTA会長さんやPTA役員の方々が集まった。PTA顧問が実質的な運営をされてきた地域である。地域に対する熱い思いを持った方々が多い。30周年行事では、何を目玉にするかが話し合われた。記念碑をつくろう、校庭の木の剪定をみんなでやろう、等いろいろな意見がでた。口を挟めない雰囲気。そして、最後に、私に「何をしたいか校長の意見を聞きたい」と、実行委員長から私は聞かれた。私は、「体育館の校歌レリーフを作りたい」と躊躇せずにかねてから考えていたことを話した。一人の方から反対の意見があった。しかも、とても偉い方であった。これはだめかとあきらめかけたとき、「それはいい考えだ。」と実行委員長が賛成意見を言ってくれた。すると、話はトントン拍子に進んだ。実行委員長の知り合いの川口の鋳物業者も紹介され、破格の値段で作ることができた。そして、200万円以上もする校歌のレリーフを体育館に設置することができた。思わぬ展開にびっくりした。創立記念のために400万円も積み立ててきた歴代のPTA役員の方々に心から感謝したい。

そして、創立記念式典が無事終了したその年の12月にまたも思いもかけないことが起こった。校門の前に住んでいる方が、突然校長室に訪ねて来た。クレームを言いに来たのかと先生方は、心配だったとのこと。その方は、学校に100万円以上寄附したいと言って来た。日々の学校の様子を見て、協力をしたくなったとのこと、何が欲しいか校長。と言われた。私は、二つあると答えた。一つは、「体育館の演台」と、「吹奏楽部の楽器」と答えた。「わかった」とその社長は言うと、2月に演台や楽器が学校に届いた。そして私が校長として着任して3年目に、2つの願いであった「校歌のレリーフ」と「演台」が、思いもよらない形で実現した。そして、私はその学校での校長として最後の卒業式を迎えることができたのである。

藤原一夫