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子育て科学アクシスブログ


戦友の皆様へ成田より

こんにちは。成田です。

 
昨年もまさに台風上陸の日に沖縄出張だった私ですが、今年もきっちり「観測史上初の」太平洋側から東北に台風が上陸する、まさにその時間に仙台入りを果たしました!!

でもこれが不思議なことに、今年も去年も、結局傘を全く使うことなく帰って来ました。どこまで晴れ女なんだか…私(自慢)。

 
ところで、先日知人がこんなことを言ってました。

「『血圧高いから薬ちゃんと飲んでくださいよ』なんて上から目線で言われると、ムカッとして、むしろ飲んでやるもんかって気になるけど、『いやあ、僕も血圧高くてね、同じ薬飲んでるんですよ~』なんて言う医者の言うことは、聞く気になるよね~、戦友みたいな気がしてさ。」

人それぞれとは思いますが、まあ、一理あるのかもしれませんね。

 
私自身は、あまり自分の私的な状況を、診療場面でdiscloseすることは好きではないので、長年診ている患者さんでも、もしや独身?!と誤解してくれてる方も結構いらっしゃいます。あ、実年齢より若いと思ってくれてる方も♪

まあ、最近はこういったブログや本で明かしてしまってるので、色々バレバレですが…(笑)

 
でも、そんな私でも、全力で私生活を披露する場面があります。

先日も、小学校低学年の子とそのお母さんに会いました。

お母さんは子どもと手をつなぐこともなくバラバラで入ってきて、「子どものすべてが嫌なんです。うざいし。」といい、「帰りたい!!なんでこんなとこ(病院)来てんのさ」と文句を言い続ける子どもと一切目を合わせません。

子どもの方は、何を言っても無視されるし、大人同士がべらべらしゃべっているだけだし、つまらないしで、診察室周辺をうろうろしながら備品をいじったり机の下に潜ったり、好き放題をしています。

お母さんは私と話しながらも、目の端にその姿をとらえ、イライラして目を吊り上げては「静かにして!!そういうあんたがウザくて嫌い!!」と怒声を浴びせます。

 
しかたないな、と私はそこで、全力で子どもにちょっかいを出し始めました。うろちょろする子どもが近づいた瞬間足を出して引っかけ、ぎゅうっと抱きしめ、脇腹を、お腹をくすぐります。「なんだよ~」ととたんに笑顔になる子ども。身をよじって逃げ出すのをちょいと追っかけてまたつかまえて「こらあー!静かにせんかい~しないと、こちょこちょの刑だぞお!!」、そして子どもはまた逃げて、と繰り返し。

 
子どもは入ってきたときの仏頂面はどこへやら、「ギャハハハハ~!」と転げ回って大騒ぎの大笑い。そして、しばらくふざけまわったあと、すうっと私の側から離れていきました。

どうするのかな、とみていると、真っ直ぐお母さんの真正面に回り、自らの手を伸ばし、お母さんのほっぺたを両手で挟んで「ママ、遊ぼ」と言ったのです。

 
その瞬間まで超~~仏頂面で、私に対して「無理です、笑えません。この子といるとイライラしっぱなしなんです」と言ってたお母さんの表情にその時、変化が起こりました。

「もう!やめてよお~、放して~」と言いつつ、ついに耐えきれなくなったらしく、仏頂面の頬が緩み、笑顔になりました。

そして「こらあっ!」て言いながら子どもを抱き上げ、私の真似してこちょこちょくすぐり出したんです。

 
はい、これぞ私の鉄板ワザ、これで大概なんでもなんとでもなる、究極の子どもあやし術です。

生活していると、例えば「お風呂入りたくない!!」などと、実に気軽に子どもは思い付きで言うわけですが、そんなとき、今時のお母さんは「お風呂に入らないとバイ菌が体に取りついて病気になってしまうので、入らなければならぬ」とこんこんと説教します。そんな正論聞くはずない子どもが「やだ!!」を続ければ、途端にお母さんは「こんな言うことを聞かない子は、私はキライです」となってしまう。

正論なんて入らないのがこの年代、それよりも「あーそうか、入らないか、じゃあ罰として、こちょこちょの刑だー♪」って言ってくすぐれば「ぎゃははは~!!、やめろお~!わかった入る入る、入るからやめてええ!」って実に簡単に子どもは降参するのに…(笑)

 
いやしかし、娘が高3になってもまだ使ってる恥ずかしい我が家の私生活を、バクロして実践して見せるのには、体力がいります。

この時も、ぜえぜえ言いながら診察を終え、「やっと終わった~」とほっとしてたら、看護師さんが嬉しそうに報告してくれました。「先生、さっきの子、診察室出たとこで、お母さんに「抱っこして」って言ったんです。どうするかな?って見てたらお母さん、すうっと抱っこして、すぐおろすこともなく、駐車場の方まで抱っこして歩いていきました!」

 
・・・告白しましょう。

私はこの醍醐味に味をしめて、アクシスを作ったんです。

お母さんが笑顔になれば子どもは絶対に良くなるよ、って全力で、私生活を披露してまで、伝えたいんです。

会員のみなさんが、成田を戦友だと思ってくれてれば、とっても嬉しいです。

 
成田奈緒子