実のなる木
2020.06.03
皆さんこんにちは、成田です。
生まれた家は豪邸でした。
たぶん200坪くらいの広い広い庭がある、純和風建築のおうちだったと思います。
お手伝いさんとかもいたのをおぼろげに覚えております。
・・が、私が4歳くらいのときに、諸事情によりあっという間に没落し、郊外の小さなおうちに引っ越しました。
その家で、母が恨めし気につぶやき続けていたのが、「あの家には実のなる木がたくさんあったから、だから私たちは不幸になった」ということばでした。
確かに見上げるほどのクルミの大木や、お手伝いさんが屋根中に干してつるしてもなお余る柿の木や、そして私の大好物のイチジクの木や、生家にはうっそうと生い茂っていました。
母によれば「屋敷に実のなる木(特に食べられる実、らしい)を植えると不幸になる。特にイチジクはいけない。」ということです。
なるほど。そうなんだ、と、あまりにも繰り返す母のことばはいつの間にか自分の中に取り込まれておりました。
・・・で、幾年月過ぎまして。
自分の家を建てるとき、この母の「呪いのことば」は私の記憶の深いところにしみついていたようで。
庭師さんに「実のなる木は植えないでくださいませ」とお願いしたものでした。
でもしばらくして、気づいたのです。
毎年6月になると赤い実がなる木が植わってたことに。
やばっ!実のなる木が植わってしまっている!!
で恐る恐る庭師さんに聞いてみれば、
「あ、食べられますよ♪」ってほがらかにおっしゃる(ん?お願いはどうなった?)。
ジューンベリー。甘酸っぱいちっちゃな実です。
年々収穫量が増えています。
これを目当てにたくさんの鳥たちも舞い降りますので、朝見た実が夕方にはなくなってる(笑)。
せっかくなってるのだからと人間は下のほうの鳥が近づかない部分の残りをいただきますと、これがなんだかねえ、ビタミンCとポリフェノールが大量に追加されたようで、お肌も生き生きするようなのですよ。
以来、6月は楽しみな月になりました。
そして、気づいたのです。
あれっ、不幸になってないぞ、私。
ずっと私の中に母によって植え付けられてた「実のなる木を植えると不幸になる」という呪縛は、噓だったんだ~~!
で、その後さらに別のお庭を造る機会がやってきました。
私は庭師さんに「できうる限りの実のなる木を植えてくださいませ」とお願いしました。
皆さん、何の実かわかりますか?
正解は桃(左)と梅(右)です。
ほかにもレモン、オリーブ、イチジクなど植えてあります。
ほかの木はまだ成長途中ですが、この桃と梅は昨年あたりからたくさん収穫できるようになり、おいしい果実酒になって私を潤してます。
こういう経験を経て、最近つくづく思うのが、幼少期に親の主観(特にネガティブな主観)を入れてしまうと、それは結構その子の行動や意思の決定にものすごく長い期間影響を及ぼすものだな、ということです。
なので私はアクシスで、できるだけまずは親御さんが「ポジティブにポジティブに」転換して考える訓練をしましょう、と提案するのです。
例えば、子どもが宿題をしない、なんてことをそのままとらえればもちろんネガティブな事象にしかならないのですが、「宿題を全くしないでも平気でいられる、こりゃまた、な~んて肝の据わった子なんじゃ!」というとらえ方もあるなあ、と親御さんが思いつけば、出てくることばは変わってくるはずです。(ここで肝心なのは、本心からそう思え、ということではなく、そういう考え方もあるよなあ、と親御さんが思いつくだけでOKなんです。)
そうすれば「宿題を全然しないあんたは、将来高校受験の時にも落ちこぼれになって、いい高校にいけなくて、結果、社会からも落ちこぼれていくんだよ。」という恐ろしい呪いの言葉の代わりに「いやあ、お母さんだったらそんだけ宿題さぼってたら学校行きたくない!って思う気がするけど、あんたはめっちゃ大物なんかもしれないねえ」とか言えるわけです。
もちろん、私の「実のなる木呪縛」のように、いつしか子ども自身が成長して、自ら解き放たれる機会は絶対あると思います。なので、やばい無意識に子どもにネガティブ攻撃してしまってたー!なんていっても、それでお子さんの不幸人生決定!なんては思わなくていいです。
でもね、「私は全然宿題しないからどうせ社会の落ちこぼれになるんだ」と刷り込まれて育っていくより「私はかなりな大物だ!」とのーてんきに考えて育つほうが、成長過程でよりたくさんの幸せを拾える子になりそうだとは思いませんか。
そんな子を育てたい、と思われる方はぜひアクシスのペアレンティング・トレーニングで学んでくださいね。
さて、緊急事態宣言中でも、マスクして厳重な感染防止対策しながらアクシスにいらしてくださった会員の皆様、本当にありがとうございました。
そうやって信頼して頼っていただけることが、私たちの誇りであり喜びです。
もちろん、これからも対面とともにオンライン対応もしていきます。
皆さまのご利用、引き続きお待ちしています。
おまけ。今朝、お庭を歩いてたコクワガタ!久しぶりに見ました。
そっと桃の木につかまらせてあげました。
成田 奈緒子
生まれた家は豪邸でした。
たぶん200坪くらいの広い広い庭がある、純和風建築のおうちだったと思います。
お手伝いさんとかもいたのをおぼろげに覚えております。
・・が、私が4歳くらいのときに、諸事情によりあっという間に没落し、郊外の小さなおうちに引っ越しました。
その家で、母が恨めし気につぶやき続けていたのが、「あの家には実のなる木がたくさんあったから、だから私たちは不幸になった」ということばでした。
確かに見上げるほどのクルミの大木や、お手伝いさんが屋根中に干してつるしてもなお余る柿の木や、そして私の大好物のイチジクの木や、生家にはうっそうと生い茂っていました。
母によれば「屋敷に実のなる木(特に食べられる実、らしい)を植えると不幸になる。特にイチジクはいけない。」ということです。
なるほど。そうなんだ、と、あまりにも繰り返す母のことばはいつの間にか自分の中に取り込まれておりました。
・・・で、幾年月過ぎまして。
自分の家を建てるとき、この母の「呪いのことば」は私の記憶の深いところにしみついていたようで。
庭師さんに「実のなる木は植えないでくださいませ」とお願いしたものでした。
でもしばらくして、気づいたのです。
毎年6月になると赤い実がなる木が植わってたことに。
やばっ!実のなる木が植わってしまっている!!
で恐る恐る庭師さんに聞いてみれば、
「あ、食べられますよ♪」ってほがらかにおっしゃる(ん?お願いはどうなった?)。
ジューンベリー。甘酸っぱいちっちゃな実です。
年々収穫量が増えています。
これを目当てにたくさんの鳥たちも舞い降りますので、朝見た実が夕方にはなくなってる(笑)。
せっかくなってるのだからと人間は下のほうの鳥が近づかない部分の残りをいただきますと、これがなんだかねえ、ビタミンCとポリフェノールが大量に追加されたようで、お肌も生き生きするようなのですよ。
以来、6月は楽しみな月になりました。
そして、気づいたのです。
あれっ、不幸になってないぞ、私。
ずっと私の中に母によって植え付けられてた「実のなる木を植えると不幸になる」という呪縛は、噓だったんだ~~!
で、その後さらに別のお庭を造る機会がやってきました。
私は庭師さんに「できうる限りの実のなる木を植えてくださいませ」とお願いしました。
皆さん、何の実かわかりますか?
正解は桃(左)と梅(右)です。
ほかにもレモン、オリーブ、イチジクなど植えてあります。
ほかの木はまだ成長途中ですが、この桃と梅は昨年あたりからたくさん収穫できるようになり、おいしい果実酒になって私を潤してます。
こういう経験を経て、最近つくづく思うのが、幼少期に親の主観(特にネガティブな主観)を入れてしまうと、それは結構その子の行動や意思の決定にものすごく長い期間影響を及ぼすものだな、ということです。
なので私はアクシスで、できるだけまずは親御さんが「ポジティブにポジティブに」転換して考える訓練をしましょう、と提案するのです。
例えば、子どもが宿題をしない、なんてことをそのままとらえればもちろんネガティブな事象にしかならないのですが、「宿題を全くしないでも平気でいられる、こりゃまた、な~んて肝の据わった子なんじゃ!」というとらえ方もあるなあ、と親御さんが思いつけば、出てくることばは変わってくるはずです。(ここで肝心なのは、本心からそう思え、ということではなく、そういう考え方もあるよなあ、と親御さんが思いつくだけでOKなんです。)
そうすれば「宿題を全然しないあんたは、将来高校受験の時にも落ちこぼれになって、いい高校にいけなくて、結果、社会からも落ちこぼれていくんだよ。」という恐ろしい呪いの言葉の代わりに「いやあ、お母さんだったらそんだけ宿題さぼってたら学校行きたくない!って思う気がするけど、あんたはめっちゃ大物なんかもしれないねえ」とか言えるわけです。
もちろん、私の「実のなる木呪縛」のように、いつしか子ども自身が成長して、自ら解き放たれる機会は絶対あると思います。なので、やばい無意識に子どもにネガティブ攻撃してしまってたー!なんていっても、それでお子さんの不幸人生決定!なんては思わなくていいです。
でもね、「私は全然宿題しないからどうせ社会の落ちこぼれになるんだ」と刷り込まれて育っていくより「私はかなりな大物だ!」とのーてんきに考えて育つほうが、成長過程でよりたくさんの幸せを拾える子になりそうだとは思いませんか。
そんな子を育てたい、と思われる方はぜひアクシスのペアレンティング・トレーニングで学んでくださいね。
さて、緊急事態宣言中でも、マスクして厳重な感染防止対策しながらアクシスにいらしてくださった会員の皆様、本当にありがとうございました。
そうやって信頼して頼っていただけることが、私たちの誇りであり喜びです。
もちろん、これからも対面とともにオンライン対応もしていきます。
皆さまのご利用、引き続きお待ちしています。
おまけ。今朝、お庭を歩いてたコクワガタ!久しぶりに見ました。
そっと桃の木につかまらせてあげました。
成田 奈緒子