置き土産
2021.05.18
皆さんこんにちは、成田です。
長い長いコロナ生活、皆さん、どうか心身の調子を崩さずにお過ごしくださいね。
先日、義母の家を訪ねたら、お庭にものすごく大きなバラの花が咲いてました。
一つのお花が直径25cm以上もあるびっくりサイズ、ちょうど降りやんだ雨の露に光を受けて、どこか異世界から降りてきたような、神々しい輝きを放ってました。
「なにこれお義母さん、めっちゃきれいやねんけど!」とバシャバシャ写真撮ってる私に義母は、「これはな、おとうさんの置き土産や。丹精込めて世話しとった花が、もう30年もなーんもせんと咲き続けるんや。」と呟きます。そうだよね、お義父さん。23年前に早逝した義父は、バラだけではなく、一年後に生まれ変わりの娘も置き土産として授けてくれたんでした。
人の命が目に見える形で終わりを告げても、みんな、きっとそこここに置き土産を残してくれているんですね。それを探して、気づいて、信じて行くことが残された人の力になるんですね。
翌日、義母の容態が急変して入院となりました。
今後のことを相談しようと、初めて私は、ずっと義母がお世話になっているケアマネさんにお会いしに行きました。
「いつも義母の事をお任せしっぱなしですみません。初めまして、嫁です。」とご挨拶したらケアマネさん、笑顔で「あらー、いつも本やら見せて頂いてあなたのお話、いっぱい聞いてますよ。」とおっしゃるのです。聞けば、家を訪ねると義母は、どこかにしまってある私の本や載ってる新聞の切り抜きを出してきて、「実はね…」と、私の事を色々話してたんですって。「自慢みたいになるから、あんまり人に言わんとってな」なんて言ってたそうで。
最初に本が出た時は嬉しくて、喜び勇んで義母に渡しに行ったものでした。ですが義母にはふーん、言われるだけで、興味も無さそうやなあと思ったので、最近は全然あげてなかったのです。いったいいつの本やろ。そんな風に言ってくれてたなんて初めて知ったよお義母さん。
とっても嬉しい出来事でしたが、これが置き土産にならないよう、早く義母には戻ってきてほしいです。
成田 奈緒子
長い長いコロナ生活、皆さん、どうか心身の調子を崩さずにお過ごしくださいね。
先日、義母の家を訪ねたら、お庭にものすごく大きなバラの花が咲いてました。
一つのお花が直径25cm以上もあるびっくりサイズ、ちょうど降りやんだ雨の露に光を受けて、どこか異世界から降りてきたような、神々しい輝きを放ってました。
「なにこれお義母さん、めっちゃきれいやねんけど!」とバシャバシャ写真撮ってる私に義母は、「これはな、おとうさんの置き土産や。丹精込めて世話しとった花が、もう30年もなーんもせんと咲き続けるんや。」と呟きます。そうだよね、お義父さん。23年前に早逝した義父は、バラだけではなく、一年後に生まれ変わりの娘も置き土産として授けてくれたんでした。
人の命が目に見える形で終わりを告げても、みんな、きっとそこここに置き土産を残してくれているんですね。それを探して、気づいて、信じて行くことが残された人の力になるんですね。
翌日、義母の容態が急変して入院となりました。
今後のことを相談しようと、初めて私は、ずっと義母がお世話になっているケアマネさんにお会いしに行きました。
「いつも義母の事をお任せしっぱなしですみません。初めまして、嫁です。」とご挨拶したらケアマネさん、笑顔で「あらー、いつも本やら見せて頂いてあなたのお話、いっぱい聞いてますよ。」とおっしゃるのです。聞けば、家を訪ねると義母は、どこかにしまってある私の本や載ってる新聞の切り抜きを出してきて、「実はね…」と、私の事を色々話してたんですって。「自慢みたいになるから、あんまり人に言わんとってな」なんて言ってたそうで。
最初に本が出た時は嬉しくて、喜び勇んで義母に渡しに行ったものでした。ですが義母にはふーん、言われるだけで、興味も無さそうやなあと思ったので、最近は全然あげてなかったのです。いったいいつの本やろ。そんな風に言ってくれてたなんて初めて知ったよお義母さん。
とっても嬉しい出来事でしたが、これが置き土産にならないよう、早く義母には戻ってきてほしいです。
成田 奈緒子