冬と甘酒と私
2022.12.16
こんにちは。黒岩です。
1年で最もあわただしい季節になりましたね。
さて、すっかり冬の陽気となったこの季節、恋しくなるのは甘酒です。
私が好きなのは米麹の甘酒で、ここ数年は自分で甘酒を作るようになりました。
炊飯器を使って、米麹と軟らかめに炊いたご飯で作るのですが、ご飯を炊くときの水加減や、麹の種類(生麹か乾燥麹か・どのお店の麹を使うか)など、微妙な加減で甘酒の甘さや仕上がりの色などが変わります。
実験しながらの甘酒作りは興味深く、いよいよ自分好みの甘酒作りができるようになってきましたよ。
私にとって冬の飲み物の代表は甘酒で、小さい頃からほぼ毎日飲んでいましたが、甘酒を作りながら「そもそも、なぜ甘酒がこんなに身近な飲み物になったのか」を考えてみました。
前回のブログで私の実家のことを書きましたが、とにかく自然豊かで、農業を家業にしているのどかな地域(ま、田舎ということです。)のため、農作業の途中でも長靴や地下足袋を脱がなくてもトイレに入れるように家の外にトイレがあったりしました。
また、箱膳の名残りのようなものもありました。
私は両親と妹2人、祖父母の7人家族で、一時期は7人で一緒に食事をしていましたが、祖父母と父は食後にお茶碗にお茶を注ぎ、お箸でお茶碗の中をクルクルとかき回し、そのお茶を飲んでいました。
幼い私は「そのお茶、美味しいのかな?」と不思議に思っていましたが、これはおそらく「お茶を飯茶碗や汁椀にいれて、箸や漬け物(たくわん)で食器を洗って、最後にそのお茶を飲んだ後、布巾などで水分を拭き取って箱膳にしまう。」という箱膳の使い方の名残りだと気づいたのは大人になってからでした。
そんな地域に住んでいたので、私が幼稚園から帰った後は祖母と近所のお家にお茶のみに行き来するのが日常で、冬になるとお茶ではなく甘酒をいただけるため、甘酒好きの私は、冬に限っては祖母とのお茶のみに積極的に参加していました。
単純に甘酒を飲めるのが嬉しかったのですが、実家近辺の風習なのか、甘酒をお茶碗に入れて飲む習慣があり、「お茶碗=ご飯を食べる食器」が「お茶碗=甘酒を飲む食器」に変わる特別感がたまらなく嬉しかったのです。
また、これも実家近辺の風習なのかもしれませんが、甘酒のお茶請けは白菜の漬物で、「甘い甘酒⇔しょっぱい白菜の漬物」の無限ループにハマっていくんですよね。。。
さらに!その白菜の漬物は「左の手のひらに乗せられて、右手でつまんで食べる」という、自宅ではできない食べ方ができる特別感(背徳感!?)がたまらなかったんです!
この食べ方は、おそらく「食器を使ってお邪魔したお家の人の食器洗いの手間をかけさせないように」という意味だったと思いますが、お箸を使わず、食べ物を指でつまんで食べることも楽しかったんだと思います。
こんな体験が、私の甘酒好きを形作ったんでしょうね!
と、過去の体験を振り返る私、「私はやっぱり着実に年を重ねているんだな」と実感する2022年の冬です。
黒岩 美喜
1年で最もあわただしい季節になりましたね。
さて、すっかり冬の陽気となったこの季節、恋しくなるのは甘酒です。
私が好きなのは米麹の甘酒で、ここ数年は自分で甘酒を作るようになりました。
炊飯器を使って、米麹と軟らかめに炊いたご飯で作るのですが、ご飯を炊くときの水加減や、麹の種類(生麹か乾燥麹か・どのお店の麹を使うか)など、微妙な加減で甘酒の甘さや仕上がりの色などが変わります。
実験しながらの甘酒作りは興味深く、いよいよ自分好みの甘酒作りができるようになってきましたよ。
私にとって冬の飲み物の代表は甘酒で、小さい頃からほぼ毎日飲んでいましたが、甘酒を作りながら「そもそも、なぜ甘酒がこんなに身近な飲み物になったのか」を考えてみました。
前回のブログで私の実家のことを書きましたが、とにかく自然豊かで、農業を家業にしているのどかな地域(ま、田舎ということです。)のため、農作業の途中でも長靴や地下足袋を脱がなくてもトイレに入れるように家の外にトイレがあったりしました。
また、箱膳の名残りのようなものもありました。
私は両親と妹2人、祖父母の7人家族で、一時期は7人で一緒に食事をしていましたが、祖父母と父は食後にお茶碗にお茶を注ぎ、お箸でお茶碗の中をクルクルとかき回し、そのお茶を飲んでいました。
幼い私は「そのお茶、美味しいのかな?」と不思議に思っていましたが、これはおそらく「お茶を飯茶碗や汁椀にいれて、箸や漬け物(たくわん)で食器を洗って、最後にそのお茶を飲んだ後、布巾などで水分を拭き取って箱膳にしまう。」という箱膳の使い方の名残りだと気づいたのは大人になってからでした。
そんな地域に住んでいたので、私が幼稚園から帰った後は祖母と近所のお家にお茶のみに行き来するのが日常で、冬になるとお茶ではなく甘酒をいただけるため、甘酒好きの私は、冬に限っては祖母とのお茶のみに積極的に参加していました。
単純に甘酒を飲めるのが嬉しかったのですが、実家近辺の風習なのか、甘酒をお茶碗に入れて飲む習慣があり、「お茶碗=ご飯を食べる食器」が「お茶碗=甘酒を飲む食器」に変わる特別感がたまらなく嬉しかったのです。
また、これも実家近辺の風習なのかもしれませんが、甘酒のお茶請けは白菜の漬物で、「甘い甘酒⇔しょっぱい白菜の漬物」の無限ループにハマっていくんですよね。。。
さらに!その白菜の漬物は「左の手のひらに乗せられて、右手でつまんで食べる」という、自宅ではできない食べ方ができる特別感(背徳感!?)がたまらなかったんです!
この食べ方は、おそらく「食器を使ってお邪魔したお家の人の食器洗いの手間をかけさせないように」という意味だったと思いますが、お箸を使わず、食べ物を指でつまんで食べることも楽しかったんだと思います。
こんな体験が、私の甘酒好きを形作ったんでしょうね!
と、過去の体験を振り返る私、「私はやっぱり着実に年を重ねているんだな」と実感する2022年の冬です。
黒岩 美喜