生活リズムが基本
2023.05.26
藤原です。
私が対応したA君についてご報告します。
意欲がなくなって、昼夜逆転していた生活を送っていたA君がやる気になっていった対応についてです。A君からも自分の変わったことを報告してくださいと言われましたので、書くことにしました。
A君は、中1から不登校になり、ある病院に行き診断してもらいました。
「診断名は起立性調節障害。一生治らない」と医師から言われて途方にくれてお母さんと本人が相談に来ました。
顔は下を向き、うな垂れて、すべてに疲れたという雰囲気を醸し出していました。返事をする声も小さく、自信を失って無気力な状態でした。
状態としては、
・朝、起きられない。
・午前中は、調子が悪い。
・食欲はない。
・勉強はやる気がしない。
・友達とも遊ばない。
・夜2時、3時過ぎに寝る。
・ゲームをしていることもある。 などでした。
A君は、自信がなくなっていたようでした。友達も誰もいないようでした。1人で絵を描くことが好きなようでした。キャンプに行き自分で食事をつくることが好きなようでした。
私は、A君の良いところを探して褒めるようにしました。
そこで、父親に、キャンプに行くことをお願いしました。父と二人で行ったり、弟と父と行ったりと家族で何回かキャンプに行ってもらいました。キャンプの体験を私に楽しそうに話してくれました。不思議とキャンプに行く日は、調子が悪くなりませんでした。
徐々に体調不良を訴える回数が減ってきました。朝から起きられるようになってきました。
物の整理整頓が得意のようでした。とても几帳面。物静かな。
「最近、部屋を与えたら、とてもきちんとしているので、こんなに整理整頓ができるのだとびっくりしている」とお母さん。少しお母さんとの関係もよくなってきました。
A君の良いところがお母さんから報告されるようになってきました。
自然がとても好きで、人と関わるより、動植物に関心があることもわかってきました。
本人の言いたいことや好きなことを聞きながら、そのことを認めてあげながら、やったこと、少しでも努力していることを、そのつど褒めていきました。
その間、お母さんはどうしてもイライラする時期があります。焦りからです。
その都度、私から、本人の努力していることやその時の心の状態を説明したりしていきました。
そして、生活リズム。
10時に就寝して7時に起床ができるように、本人が努力していることをほめながら、規則正しい生活リズムを毎日の生活で自然にできるようにしていきます。
脳の働きなどや睡眠の大切さを本人に話し、規則正しい生活リズムができるようになることを第一目標にしていきます。
『学校に登校すること』『勉強すること』については、ほとんど私からは言いません。
「無理しないでいいよ。まだね。」と。
中1の2学期頃から生活リズムは徐々に良くなっていきました。
少し運動も取り入れてもらいました。
10分歩くところから、徐々に体を動かすことを勧めていきます。
中2になったころに、ゆっくり教えてくれる塾に行くことを勧めました。
塾に行くことは自信がないと本人は躊躇しました。「1度行ってみて、ダメだったら行かないよ」と本人。体験に行くと、とても優しいおじいさんの先生で、安心したとのことで、はじめ週に1度だったのが、中3の頃には週に3度と増え、姿勢も背筋が伸び、しっかりした口調に徐々になり、自信も出てきたようです。
目標もしっかりしたものになり、学習に対する意欲も出てきて、中3になると、自分から「学校に少し行ってみる」と言い出しました。放課後登校から行けるようになり、次に午前中に別室登校ができる状態になってきました。そして、自信がでてきたのか実力試験や定期試験も受けることができるようになりました。
成績も徐々に向上しやる気も出てきました。自ら目標を決めて、その目標に向かって努力するようになってきました。A君の雰囲気も全く変わりました。今までのA君が嘘のように、学習に対して積極的に取り組むようになっていました。記憶の仕方や学習の仕方を私に聞くようにもなってきました。そして、希望する公立高校へ進学することができ、高校へは欠席することなく行くようになっています。
藤原一夫
私が対応したA君についてご報告します。
意欲がなくなって、昼夜逆転していた生活を送っていたA君がやる気になっていった対応についてです。A君からも自分の変わったことを報告してくださいと言われましたので、書くことにしました。
A君は、中1から不登校になり、ある病院に行き診断してもらいました。
「診断名は起立性調節障害。一生治らない」と医師から言われて途方にくれてお母さんと本人が相談に来ました。
顔は下を向き、うな垂れて、すべてに疲れたという雰囲気を醸し出していました。返事をする声も小さく、自信を失って無気力な状態でした。
状態としては、
・朝、起きられない。
・午前中は、調子が悪い。
・食欲はない。
・勉強はやる気がしない。
・友達とも遊ばない。
・夜2時、3時過ぎに寝る。
・ゲームをしていることもある。 などでした。
A君は、自信がなくなっていたようでした。友達も誰もいないようでした。1人で絵を描くことが好きなようでした。キャンプに行き自分で食事をつくることが好きなようでした。
私は、A君の良いところを探して褒めるようにしました。
そこで、父親に、キャンプに行くことをお願いしました。父と二人で行ったり、弟と父と行ったりと家族で何回かキャンプに行ってもらいました。キャンプの体験を私に楽しそうに話してくれました。不思議とキャンプに行く日は、調子が悪くなりませんでした。
徐々に体調不良を訴える回数が減ってきました。朝から起きられるようになってきました。
物の整理整頓が得意のようでした。とても几帳面。物静かな。
「最近、部屋を与えたら、とてもきちんとしているので、こんなに整理整頓ができるのだとびっくりしている」とお母さん。少しお母さんとの関係もよくなってきました。
A君の良いところがお母さんから報告されるようになってきました。
自然がとても好きで、人と関わるより、動植物に関心があることもわかってきました。
本人の言いたいことや好きなことを聞きながら、そのことを認めてあげながら、やったこと、少しでも努力していることを、そのつど褒めていきました。
その間、お母さんはどうしてもイライラする時期があります。焦りからです。
その都度、私から、本人の努力していることやその時の心の状態を説明したりしていきました。
そして、生活リズム。
10時に就寝して7時に起床ができるように、本人が努力していることをほめながら、規則正しい生活リズムを毎日の生活で自然にできるようにしていきます。
脳の働きなどや睡眠の大切さを本人に話し、規則正しい生活リズムができるようになることを第一目標にしていきます。
『学校に登校すること』『勉強すること』については、ほとんど私からは言いません。
「無理しないでいいよ。まだね。」と。
中1の2学期頃から生活リズムは徐々に良くなっていきました。
少し運動も取り入れてもらいました。
10分歩くところから、徐々に体を動かすことを勧めていきます。
中2になったころに、ゆっくり教えてくれる塾に行くことを勧めました。
塾に行くことは自信がないと本人は躊躇しました。「1度行ってみて、ダメだったら行かないよ」と本人。体験に行くと、とても優しいおじいさんの先生で、安心したとのことで、はじめ週に1度だったのが、中3の頃には週に3度と増え、姿勢も背筋が伸び、しっかりした口調に徐々になり、自信も出てきたようです。
目標もしっかりしたものになり、学習に対する意欲も出てきて、中3になると、自分から「学校に少し行ってみる」と言い出しました。放課後登校から行けるようになり、次に午前中に別室登校ができる状態になってきました。そして、自信がでてきたのか実力試験や定期試験も受けることができるようになりました。
成績も徐々に向上しやる気も出てきました。自ら目標を決めて、その目標に向かって努力するようになってきました。A君の雰囲気も全く変わりました。今までのA君が嘘のように、学習に対して積極的に取り組むようになっていました。記憶の仕方や学習の仕方を私に聞くようにもなってきました。そして、希望する公立高校へ進学することができ、高校へは欠席することなく行くようになっています。
藤原一夫