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子育て科学アクシスブログ


インタビューの話

関東ではようやく熱帯夜が落ち着きはじめました。

上岡です。

今年の夏は暑すぎたので、夜にぐっすり寝られるようにする散歩も、早朝と夕方にわけました。では日中、なにをするかというと、夏らしくホラー三昧です。

最強のホラー小説と言われた「残穢」(小野不由美著)や「リング」(鈴木光司著)、「ぼぎわんが来る」(澤村伊智著)、「ぼっけぇきょうてぇ」(岩井志麻子著)を読みあさり、さらに「リング」の続編に手を出すと、ジャンルがSFになっていったので、つられてそこから、アイザックアシモフの古典的SF作品を読みました。

さて、そんな夏の日、帰郷して、父親から頼まれたおつかいのため、街中を歩いていたときのことです。

暑さゆえに人気ない幅広い歩道を歩いていると、木陰から男女3名が如意と現れました。屈強の男性2人はカメラとマイクを持ち、女性1人はフリップボードを。

さあ、インタビューの始まりです。

おそらくは、局の偉い人に「この暑い日を表現するために、歩いている輩のインタビューを撮ってこい」と無理難題を言われ、でも「こんな日、人が通るわけないじゃんな」「んだ」とくだをまいていると、私がひっかかったという訳です。

 
「インタビュー、よろしいですか」と女性アナウンサーが丁寧に許可取りをされ、現時点での温度が表示された温度計を見せてくれました。

「どう思いますか?」

私はひとこと「暑いですねぇ」

「そんな暑いさなか、なにか工夫はされてますか?」

「えっと、特にないです。ただただ暑いですねぇ」

「そうですか…。最後に一言お願いします」

「暑いです!」

ほんのり敗北感を感じ、帰宅しました。弱った心を癒すのはアウトプットです。家に着くなり両親をつかまえ、自分がいかにして咄嗟のコメントができずに悔しい思いをしたかをリビングで語りました。

すると、TVでニュースが。見覚えのある場面がうつり、直後に私が画面に映りました。

「暑いです!」

TVの中の私はそれだけを語り、即座に子連れの女性がしっかりとした口調で暑さ対策を語る映像への切り変わりました。

 
とっさにインタビューされて、文章で答えられたあの方をすごいと思います。

ニュース映像でときおり、ペラペラと意見を述べている街の人が映ります。今までの私はそれに対し、「何言ってんだよ、そうじゃないだろよ」とTVの前でぼやいていていましたが、そんな私を叱りたいです。

そういえば、昔から私は、なにかの講演を聞いた直後の「質問ある人?」「感想ある人?」の問いに、全然答えられませんでした。まとめるのに時間がかかるわけです。これもまた得手不得手です。私は私で、時間かけながら答えていきたいと思います。次にインタビューされる機会では、10分ほど時間をいただき、アンケート記入方式でお願いします。

 
上岡勇二