私の学校経営1 2025.02.07 スタッフのつぶやき 藤原です。 今日は、私の学校経営について話をします。 校門から、黒塗りの大きなベンツが入って来た。 「何だろう」と先生方がびっくりしている中、「校長は、いるか?」と体格の良い方が 車から降り、玄関から入って来た。 校長室で執務をしていた私は、何だろうと思って、「ご用事は、何でしょうか?」と尋ねると、 「あなたのやっていること、3年間見て、とても感心した。今日は、寄附をしたいと思い来ました」「校門前に住んでいる。私が校長になる前となった後の子どもたちの様子の変化を見て、驚いた。300万ほど寄附したい。」と。 私が赴任した学校は、評判が、とても悪い学校であった。 正門と裏門に、生徒がタバコを吸うための空のバケツが置いてあるほどである。 4月初めの職員会議が始まり、先生方と顔合わせも終わり、いろいろな準備のとりかかり始まり、校長としていよいよだと思い、決意を新たにしていた。 6時過ぎに帰宅しようとすると、正門の脇の桜の木の下で、ゴザを敷いて宴会の準備をしている子たちが集まっていることに気が付いた。 声をかけることができる先生は、誰もいない。何という先生たちなんだ、と思ったが、すぐに、自分から声をかけに行った。 「こんにちは、4月から校長になった藤原です。よろしく。」 どうも毎年、春には、校門の横の桜の木の下で、卒業生たちが数人で宴会している恒例行事のようである。そんなことは、私は知らない。 「終わった後、ここは、きれいにしておいてくれますか」とお願いをした。 校長室に戻り、しばらくすると、卒業生の一人が来た。「ゴミ袋ありますか?」「私は、よろしく頼みますね。ありがとね。」とゴミ袋を渡した。 翌日の朝、ゴミ一つなくきれいになっていた。 次の日には、さらに人数が増えていた。また、私は、彼らに挨拶に行った。「新しく来た校長先生だ。みんな挨拶しろ」と、昨日のリーダー格の子がみんなに声をかけた。 そして、その日も、ゴミ袋を校長室に取りにきた。「今日もよろしくね。」と話した。 翌日もキレイにしてくれていた。 次の年から彼らは、まったく来なくなった。 5月に校医さんが校長に話しがあると健診後に、校長室に立ち寄ってくれた。昨年までの子どもたちと全く変わってしまった。 健診するときに、「挨拶をするようになった。」「昨年まで、あまり、挨拶する子がいなかったが。」 私に「子どもたちに何かしたのか?」と言う。 先生たちに「いい子たちですね」と言うと、「今のうちはね」と言う。 昨年の子どもたちが急に変わってしまったので、戸惑っている感じであった。 私が、校長になってから、全校集会も静かになり、みんなが急に落ち着きだし、集会での聴く態度もよくなったとのこと。 その学校では、4月はじめにチューリップフェスタというのがあり、吹奏楽部がそこで演奏をする。PTAと子どもたちが協力し合って、半年前からチューリップを育てて、公園を飾る行事がある。 そのような活躍の様子を集会では、具体的に褒めた。私は、運動部、文化部の活躍、日々の子どもたちの活躍をほめる話がいつも中心であった。 そして、子どもたちにやさしく、子どもたちの良いところを褒めるように対応してきた。 多くの先生たちは、厳しく直そうとする姿勢であるが、私は、良い点を見よう、ちょっとしたミスは許してあげる姿勢で子どもたちに対応していたのである。 藤原一夫