くるくるドライヤー
2025.12.03
皆さんこんにちは、成田です。
突然ですが、先日骨を折りました。いえ、比喩ではなく本当に(笑)。初めて訪れる場所を探しながら歩道を歩いてて、突然転びました。とっさに顔と右手をかばったらしく、左手首の橈骨遠位端が折れました。
右利きだし大丈夫だろうと思った私、甘かったです。パソコン打てない、リンゴの皮むけない、ふきんが絞れない、靴紐結べない・・・左手さん、軽んじててごめんね。
で、一番困ったのがドライヤー。シャンプーまでは右手だけでなんとかなったのですが、髪の毛を乾かすときにはたと困った。私はいつも左手にドライヤーを持ち、右手でブラシを動かして整えていたようです。いつものように乾かそうとしたら、当然受傷した左手にドライヤーは重すぎる。かといって、ロボットのように90度に曲がった形で固定されてる肘関節ではブラシを持っても、どう頑張っても髪の毛まで到達しない!!!えらいこっちゃとそこで初めて気づきました。
しかたないので右手に持ったドライヤーである程度温風を当て、いったん止めてドライヤーをブラシに持ち替えて整えて、またドライヤーに持ち替えて温風を当て・・・って、一体全体何時間かかるんだ~~っ!と絶望的になったそのとき、思い出したのです。
「そうだ、くるくるドライヤーがあった!」
もちろんご存じの方も多いでしょう。くるくるドライヤーとは、ブラシと一体となったドライヤーで、わが国が誇る老舗家電メーカー松下電器(ナショナル)が1974年に世に送り出した、当時の女子必携アイテムです。
そして忘れもしない、私がくるくるドライヤーを初めて買ったのは、14歳中3の夏休みです。生まれて初めて海外旅行(香港)に連れて行ってもらえることになった私は、かわいい髪型を海外でも確実にキメたい!となけなしのお小遣いをはたいて、当時最先端の「海外でも使える」機種を購入したのでした。
じゃーん!これがその、ずっと使わず、でも捨てるに忍びなくて引き出しの奥に取っておいた、私のくるくるドライヤーです。ちなみに矢印は、海外で使うための電圧切り替えボタン(いまや判読不能)です。
おそるおそるスイッチを入れてみると、これが、すばらしいことにちゃんと温風が出ました。どこも壊れてない。当然右手だけで操作可能なので、おかげでらくらく髪の毛を乾かすことができました。恐るべし松下電器、半世紀近い時を経てなお元気に動くこの素晴らしい機器をつくる日本の技術力に、私は改めて平服した次第です。
と同時に、これを買った時の「かわいくなりたい願望」がめっちゃ高かった中学生の私の記憶もあざやかによみがえりました。今アクシスで親御さんから、朝の支度に時間をかけすぎて遅刻しそうになったり「今日の前髪が気に入らない」と学校を休んだりする中学女子のことをよく相談されるんですが、そのたびに私は「そんなもんだよなあ」と思ってしまいます。だって、このくるくるドライヤーを買った時の私は、前髪の出来いかんで確実にその日の気分が上下してたもの。だから、憤怒しているお母さんたちには正直共感しづらいし「ほんとにあなたたちにはそういう時代、くるくるドライヤー命!っていう時代はなかった?私にはあったよ~!」って言いたくなってしまいます。
そんな、思い出をいっぱい詰めたこの歴史的くるくるドライヤーに今回また全く予期しなかった場面で助けてもらって、私はとても嬉しくなりました。骨折は不幸だったけど、いろんな新しい体験ができたのはちょっと良かったかも・・・です。
成田 奈緒子
突然ですが、先日骨を折りました。いえ、比喩ではなく本当に(笑)。初めて訪れる場所を探しながら歩道を歩いてて、突然転びました。とっさに顔と右手をかばったらしく、左手首の橈骨遠位端が折れました。
右利きだし大丈夫だろうと思った私、甘かったです。パソコン打てない、リンゴの皮むけない、ふきんが絞れない、靴紐結べない・・・左手さん、軽んじててごめんね。
で、一番困ったのがドライヤー。シャンプーまでは右手だけでなんとかなったのですが、髪の毛を乾かすときにはたと困った。私はいつも左手にドライヤーを持ち、右手でブラシを動かして整えていたようです。いつものように乾かそうとしたら、当然受傷した左手にドライヤーは重すぎる。かといって、ロボットのように90度に曲がった形で固定されてる肘関節ではブラシを持っても、どう頑張っても髪の毛まで到達しない!!!えらいこっちゃとそこで初めて気づきました。
しかたないので右手に持ったドライヤーである程度温風を当て、いったん止めてドライヤーをブラシに持ち替えて整えて、またドライヤーに持ち替えて温風を当て・・・って、一体全体何時間かかるんだ~~っ!と絶望的になったそのとき、思い出したのです。
「そうだ、くるくるドライヤーがあった!」
もちろんご存じの方も多いでしょう。くるくるドライヤーとは、ブラシと一体となったドライヤーで、わが国が誇る老舗家電メーカー松下電器(ナショナル)が1974年に世に送り出した、当時の女子必携アイテムです。
そして忘れもしない、私がくるくるドライヤーを初めて買ったのは、14歳中3の夏休みです。生まれて初めて海外旅行(香港)に連れて行ってもらえることになった私は、かわいい髪型を海外でも確実にキメたい!となけなしのお小遣いをはたいて、当時最先端の「海外でも使える」機種を購入したのでした。
じゃーん!これがその、ずっと使わず、でも捨てるに忍びなくて引き出しの奥に取っておいた、私のくるくるドライヤーです。ちなみに矢印は、海外で使うための電圧切り替えボタン(いまや判読不能)です。
おそるおそるスイッチを入れてみると、これが、すばらしいことにちゃんと温風が出ました。どこも壊れてない。当然右手だけで操作可能なので、おかげでらくらく髪の毛を乾かすことができました。恐るべし松下電器、半世紀近い時を経てなお元気に動くこの素晴らしい機器をつくる日本の技術力に、私は改めて平服した次第です。
と同時に、これを買った時の「かわいくなりたい願望」がめっちゃ高かった中学生の私の記憶もあざやかによみがえりました。今アクシスで親御さんから、朝の支度に時間をかけすぎて遅刻しそうになったり「今日の前髪が気に入らない」と学校を休んだりする中学女子のことをよく相談されるんですが、そのたびに私は「そんなもんだよなあ」と思ってしまいます。だって、このくるくるドライヤーを買った時の私は、前髪の出来いかんで確実にその日の気分が上下してたもの。だから、憤怒しているお母さんたちには正直共感しづらいし「ほんとにあなたたちにはそういう時代、くるくるドライヤー命!っていう時代はなかった?私にはあったよ~!」って言いたくなってしまいます。
そんな、思い出をいっぱい詰めたこの歴史的くるくるドライヤーに今回また全く予期しなかった場面で助けてもらって、私はとても嬉しくなりました。骨折は不幸だったけど、いろんな新しい体験ができたのはちょっと良かったかも・・・です。
成田 奈緒子
