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子育て科学アクシスブログ


ラスコー展に行ってきました

2万年ほど前、我々の先祖であるクロマニョン人が描いた洞窟の壁画。

世界遺産に登録されたラスコーの壁画は保存状態が悪くなったため現在は非公開なのですが、1ミリ以下の精度で再現した実物大の洞窟壁画を展示したのが、東京科学博物館で開催中のラスコー展です。

 
あけましておめでとうございます。上岡です。本年もよろしくお願いいたします。

 
いや~、驚きました。

想像していたよりも足場の悪い洞窟で、横ばいにならないと入れない洞窟の先にも描かれていること。

洞窟の奥なので光は全く入らず、火をともしながらではないと奥に進めないこと。

さらに壁画が目の高さではなく、なにかに登って描かないといけないような天井や高い位置に描かれていること。

600頭以上の動物の絵だけでなく、「→」や「□」や「…」なども描かれていること。

全く知りませんでした。

そして、その壁画の素晴らしさ。

幾頭にも重ねられ色彩豊かに描かれ、絵の中心となる動物は大きめのサイズで立派に描かれ、そして岩場の起伏をも利用し立体的に描いているようにも思え、動物たちがとても生き生きと表現されています。

 
このラスコー展を周りながら感じたことは、「無駄の素晴らしさ」です。

クロマニョン人より前のネアンデルタール人の時代には「絵を描く」という文化は無かったとのことです(発見されていません)。

クロマニョン人の時代から、絵を描いたり服を縫ったりアクセサリーで着飾ったりと、生きるために必要なこと以外の、生きることには関係のない「無駄なこと」を仕始めちゃったようです。

確かに…実際に獲物をとらずに、「獲物での絵」を描くっての無駄ですよね~。

でもこんな考え方も。

絵に描き、狩猟前に狩猟の成功を祈る儀式をすることで、その儀式が、「今」だけでなく「少し先(狩猟の成功)」を考える思考となり、先を考える事が、天候などから法則性(こういうときはこういう結果になりやすい)を見つける思考となり、それが結果、生きていく確率を上げる行動をつながったのではと。とすると、この無駄な行為は、今の人類が生き抜くことができた大きな糧となったわけです。

 
そしてそんな壮大な歴史を考えなくとも、私たち自身も「なに無駄なことやってんの!」と言われていたことが後々、自分の人生を豊かにすることにつながったりすることありますよね。

リラクゼーションもそうですよね。私たちはストレスがたまると自分なりのリラクゼーションをします。

着飾ることで気持ちを上げる人もいるだろうし、絵を描く人もいるだろうし。そんなリラクゼーションなんて端から見ると無駄な行動なんでしょうけど(「そんなことしてないで目の前の課題を考えなさい!」なんて怒られたりすることもあるでしょうし)、でもその無駄な行動が、一歩先に進むための心のエネルギーにつながるわけですからね。

一見、無駄なことって捨てたもんじゃないね~。

そんなラスコー展でした。

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もしや、私たちが行っている「無駄なこと」の中に、今の人類が次のステップに行く大きな糧が隠さているのかもしれませんね。