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子育て科学アクシスブログ


成田の箱根体験記

こんにちは、成田です。

 
突然ですが、箱根に行きました。まともに行くのは初めてかも。神戸で育った私にしてみれば「東京の奥座敷」的立ち位置の温泉街=「神戸の奥座敷」有馬温泉とほぼ同じね、という感覚でした。

 
・・いやいや、全然規模が違う!当たり前ですが。

結論から言えばすべてが一級品で素敵な観光地でした。箱根。

 
みたかったものその①

ういろう屋さん。

演劇人やアナウンサーの発音練習に使われる「ういろう売り」の口上の元祖は「ういろう」という江戸時代に流行った丸薬であったらしい・・という噂を聞いて、とってもとっても行きたかった私は、まずは小田原駅→小田原城を目指しました。なぜなら、噂では、「ういろう屋さんは小田原城の近くにあるらしい」から。

駅前をふんふん鼻歌交じりに歩き始めたものの、なにせ今年の猛暑に3分で死にそうになり、徒歩10分ほどで小田原城の門にたどりついた時には、汗だらだら。

石垣も立派で、再建した建物とはいえ本丸はかっこいい。・・・が、ここまでもだいぶ階段上ってきたのに、ここからまた昇るの?

高い!階段!たぶん20分くらいかかって大汗かきそうな。

 


 
一瞬で拝謁するのをあきらめました。ごめんなさい。

ういろうやさんはこの門から平地を5分ほど歩いたところにありました。

 
  

 
ほぼお城!!立派な建物、入ってみれば正面で売っているのはお菓子のういろう。あれっ?

とりあえず、お菓子のういろうを購入してから、「すみません、あの、薬のういろうって・・?」「あっそれはこちらです」向かって左に回ったカウンター(同じフロア同じお店)にありました。丸薬のういろう。

ついでに、印籠(これにういろうを入れて水戸黄門様が持ち歩かれたらしい)も購入してこれが、「ういろうセット」でございます。キャー嬉しい(^^)

 


 
これだけで退去するのはもったいない、とお菓子のういろうを売っているカウンター向かって右に回ったとこにある喫茶店で一休みすることにしました。薬膳粥がおなかに優しい。

 


 
そのお店においてある資料を隅々読んだところによると、ういろうとは漢字で外郎と書き、これは初代ういろう屋さんのご主人の苗字(本来は役職の名前)だそうな。祖先は中国伝来の咳や胃痛などに効く薬の調剤法を伝授され京都で開業して朝廷公家にも献上するほど大人気。そういうお客様を接待するときに自家製のお菓子をお出ししたのがお菓子のほうのういろうの始まり、だそうです。このほぼお城!の店構えは上様から特別に許された建築様式だそうで。うん、うん、納得。

それがお殿様の転居に伴ってか小田原に来ることになった江戸時代、丸薬ういろうは江戸っ子の間で大流行したそうです。

外郎売の口上とは、二代目市川団十郎が止まらぬ咳に罹患して、舞台に立てそうになくなってしまったとき、最後の頼みとこのういろうを服用してみたところ、たちどころにすっかり快癒し、舞台にたてるようになったそうな。団十郎はいたくこのことを感謝して、さささささ~っと「外郎売」という歌舞伎の演目を作った。その中で述べられるセリフだそうです。な~るほど。

小田原市では、この貴重なういろう売りの口上を絶やさないために、毎年8月末に「ういろう売りの口上コンテスト」が開かれるそうです。長い口上の中には、武具馬具、武具馬具、三武具馬具、合わせて武具馬具、六武具馬具、てな早口言葉も含まれて、脳の活性化には良く効きそうです(笑)。

 
さてさて、喫茶店ではおかゆのあとにしっかり和菓子とコーヒーまでいただき、すっかりくつろいだ成田ですが、さらにこれだけで退去するのはもったいない、と周りをきょろきょろしました。

なぜなら、事前学習では「ういろう博物館」なるものがこの近くにあるはず。どーせならこれも絶対見たい!なのでお店の方に聞いてみました。「あの~、ういろう博物館って・・?」「あ、ご見学ですね。ちょっとお待ちください。係を呼んでまいります」「?」

 
5分ほどその場で待ってたら、カウンターの奥から若い男性の社員さんが出てきました。

大きな根付?がついた立派なカギを持って。もしかして・・・?

「こちらでございます」と薬カウンターのわきをすり抜け、社員さんが私一人のために誘導してくれた店の裏手。白い壁黒塗りの屋根、りっぱなりっぱな御蔵が立っておりました。ぎぎぎ~~っとカギを開け講師の戸を開けお靴を脱いで中に入れていただけました。

 
「おおお~!」そこはまさにお宝の山。開店当初のお店の看板、ういろうを服用して病気が完治したお礼にういろううりの歌舞伎を作った二代目団十郎の錦絵、最近当店を訪ねてこられた12代目団十郎さんの色紙、そして中国伝来の生薬を絶妙に配合して(いまだに、社員すらしらないトップシークレットで作られてるそうな)直径3mm程度の銀色の丸薬に作り上げるための初代の作成機械。

御蔵の、すべての雑多な音を吸収してしまうような厚い壁に圧倒されながら、私だけのために、若い社員さんは陳列物の解説をしてくれるのです。なんと贅沢、なんて楽しい♪

 
何から何まで堪能しておなか一杯、気持ちもいっぱいになった成田なのでした。

 
長くなってしまったので、みたかったのものその②、以降はまたの機会にしたいと思いますが、最後に2点、皆さまにぜひお伝えしたいことがあります。

 
その1:成田がういろうを持ち帰ったその日、止まらぬ咳に苦しんでいたスタッフFは、ういろうの丸薬を成田に勧められ服用したところ、たちどころに快癒したそうな。

 
その2:翌日訪ねた「箱根湯本ガラスアート館」体験で、成田が頑張って作成した青いガラスの表札プレートを、アクシス入り口にかけてます。皆さま、ご来室の際にはお忘れなくご覧あれ~

 
・・って、全然箱根まで到達してないのに、ブログタイトル「箱根体験記」って・・(自分で突っ込み)

 
成田 奈緒子