人違い
2014.09.24
上岡です。
身体を動かすことにすっかり疲れ果てたとき、DVDを10本ほど借りて、朝から晩までお家で映画を見る習性があります。
先日もレンタル屋に行きました。DVD選びは結構真剣で、自分史上一番男前の顔をしていると思います。
そんな男前時間の自分に近づいてくる女性がいました。自分が見ている棚のDVDを取りたいのかな?と考える程度でそ知らぬふりをしていると、さらに近づき、こっちの顔を覗き込むではないですか。
ここまで近づかれてそ知らぬふりをするのは、カツアゲされそうなときぐらいですので、相手に目を向けると、ニッコリ笑顔を返してくれましたし。調子いい私もニッコリ笑顔。そしてフル回転する脳機能。
「誰だっけ、誰だっけ、誰だっけ、誰だっけ……」
すると相手はいったん真顔になり、再びばつの悪いニッコリをして「ごめんなさい」とその場を去りました。
人違いだったようです。
こんな経験、自分はよくあるような気がします。非常に日本人的な顔をしているからなのか。
高校時代、隣のクラスのO君は、目があった瞬間から「似てる!」と感じあい、互いに避けあう学園生活をしていました。「恋」やら「ライバル」やらの青春の1ページとして避けていたのではなく、出会ってしまったらどちらかが消えてしまうのでは…という思いでした。
大学時代、初めての1人暮らしで、初めてきた町で、初めて入った金物屋で、店主に「やぁ、いらっしゃい」と言われました。すでにこの町に僕がいるようです。その後、近辺での様々な目撃情報から、「子持ちで、短パンを好んで履いていて、乱暴な運転をする」この町の僕がプロファイリングできました。
社会人になっても同業種のカウンセラーでそっくりな方がいて、その方と会議の席で顔を合わせることが多くなり、なんとなくその方は髪を伸ばし、なんとなく私は眼鏡をかけ始め、アイデンティティークライシスを乗り越えました。これも1つの視覚的な構造化です。
1つ良い事がありました。「前付き合っていた彼氏に似てるんです」と女性に話しかけられたことがあります。その俺は、いい俺だったようです。
会ったこともないし、多分血もつながっていない俺たちに、縁を感じます。
ありがとう、俺。全国の俺のために、俺もいい人でいます。
上岡