私の学校経営2 「思えば叶う」
2025.07.06
藤原です。
私は、校長として新しい学校に赴任すると、「この学校には、何が必要か。この学校では、何ができるか。を考える。」
着任した日に、学校中をゆっくり回りながらチェックして、できることを探すのである。
自分一人で、まわると、自分なりの新鮮な気づきがある、だから一人でまわるこの時間を大切にしている。
広い校庭で、スズメたちが、グランドの土の虫をついばんでいた。
のどかだなあ、広いなあ、自然がたくさんあるなあ。と、学校の良さに満足していた。
4月1日の朝早くに、私の心に、新たな希望の炎が燃えだしたなと感じる瞬間である。
先生や子どもたちに校長として紹介される前の新鮮な気持ちのときである。
校長は、自分で決定できる。その分、精神的にはつらいが、やりがいを持つことができる。
体育館に入った。ステージの横の壁に校歌が飾ってあった。ぶよぶよの白いブリキ板に校歌が書いてあった。
ぶよぶよのブリキ板が気になった。波を打っている。「なんだ。この校歌は。きたないなあ。」
バスケットボール、バレーボールなどが、あたったあとなのだろうが。とにかく汚い。
いろいろな箇所がへこんでいる。「綺麗な校歌のレリーフ」を作りたいと強く思った。
次にステージに上がり、演台を見た。朝礼、入学式、卒業式のときに使うあの大きな演台。横板が穴だらけ。
今にも崩れそう。汚い演台。両隣に花台を置くことでごまかしている。
穴は見えなくなるが、この状態でおいておくことは、あまりよくない。(汚くしていると子どもたちは、どんどん穴を大きくしていく。)
心の中でこの二つを「何とかしたい」と強く着任した日に思った。
①「ぶよぶよのブリキ板の上に書かれた校歌」と、②「穴のあいた演台」である。
この思いは不思議なことに、2つとも①は2年後に叶い、②は3年後の異動する1か月前に叶った。
それ以来、「思えば叶う」ということを心の中で密かに信じている。
2年後、30周年記念の式典の準備が、始まった。歴代のPTA会長さんたちが一堂に会する顧問会の皆様が、30周年式典で何をメインにするかを決めていた。記念碑(記念の石)を今までの式典では作ってきた。式典の実行委員長から校長としては、「何か希望はあるか」と。すぐに、私の心の願いであった校歌のレリーフを作りたいと申し上げた。20年間積み立てていた資金が、300万円ぐらいあった。私の思いは、歴代の会長さん方にも伝わりおかげまで実現することができた。感謝申し上げる。
前回の校長経営1のブログのときに、学校の目の前の社長さんがベンツでやってきて、300万寄附してくれたとお話しした。そのうちの100万円で体育館の演台を買うことができた。私は、1回もその演台を使うことはなかったが、着任したときに思ったことが叶ったのである。
これらことを経験してから、私は、このようにしたいと思うことにしている。そして、その実現を目指してひたすら努力するようにしている。「思えば叶う」である。
藤原一夫